暖かい陽が差し込む窓際の保育室で遊んでいた子どもたち。四つん這いになって動き回っていた子どもの一人が、ふと動きを止めてじっと床を見つめています。視線の先は、日の当たる床に触れた小さな手。
少しすると、こんどは影になった部分にも触れてみて、また日の当たる部分に手を戻すと、ハッとした表情で私の方に顔を向けました。私も同じように床に手を触れ「あったかいね~」と声をかけると、その子も「あったかーい!」と繰り返しにっこり。
すると、そばにいた別の子どもたちも次々やってきて床に手を触れ「あったかーい!」「かーい!」と口々に言い、嬉しそうな表情が溢れていきました。
目には見えない『暖かい』という感覚を、小さなその手で感じ、その気づきをそばにいる人と共有する喜び。その感覚が「あたたかい」という言葉とつながり、声にすることでそばにいる人に伝わる喜び。そんな喜びに満ちた瞬間に立ち会うことができ、幸せいっぱいなひと時でした。
子どもたちと居ると、この世界の“不思議”にあらためて出合える機会がたくさんあります。何かに気づき子どもの表情がパッと変わるその瞬間、そしてその後必ず振り向いて誰かに伝えようとするその視線。そこに私たち大人が見過ごさず気づくことができたら、日々の子どもたちとの時間がより豊かになっていくと感じています。