森と自然の保育園SORAでは、ファミリーデイやコ・クリエーションデイ(保護者会)など保護者とスタッフの交流の場や対話の場があります。
限りある時間ということもあり、保育者や園に関わる大人ひとり一人の思いや考えを伝えきれていないという課題があった中で、毎年実施している「自己評価(セルフアセスメント)」を保護者にも共有しました。
※個人が特定できない形で掲載しています
SORAの環境やチームをつくる上で大切にしてきた『子どもに関わる大人がどうあるか』。
実に多様な大人たちが混じり合い、自分の表現やお互いの視点を大切する環境の中で、子どもが存在すること。保育園は子どもと大人が共に育ち合う場だと実感しています。
保育園における「自己評価」とは?
保育者等が自らの保育実践や保育内容を振り返りるものです。評価という言葉が使われていますが、当園では保育の良し悪しや、できたか/できないかを評価するためのものでなく、日々の保育の実践や自分たちの大切していること、課題となっていることを改めて明確化するために実施しています。
子どもの人権について配慮していることはありますか。具体的にどんな場面で配慮しているか聞かせてください。また、気になっていることがあればお聞かせください。
- 〜すべきという考えをできるだけ持たないようにしている
- 子どもの気持ちを聞いた上で、どうしていくか考えるようにしている
- 全部を受け入れることはできないが解決策や納得できるように心掛けている
- 子どもの主張することで答えられることはきちんとこたえ、対応できないときはその旨を分かりやすく伝えるようにする
- 対話の前提として、子どもが何を表現しているのか、何を伝えたいのかを手を抜かずに感じとり、把握しようと努めている
- ひとりの人として向き合う
- 無視しない
- 声をかけてから、口や手を拭いたりする
- 日々記録として保育中に写真を撮ることがあるが、その際プライべートパーツが映らないように配慮している
- 人として、自分がされて嫌なこと、大人にしないようなことは子どもにもしない
- スキンシップや着替えの援助は別として、必要以上に触らない
- できるだけ敬称をつけて呼ぶ
- 今年度相談があった公園内(外出先)での排泄交換、着替えについては外から見えないよう配慮して行った
- ひとり一人、同じ月齢であっても成長や考え方が違う。そして、同じ子でも、状況によって感じ方が違う。ということを意識している
- 同じ子、同じ状況でも、毎回同じ接し方は通じない。その時の、その子が今どういう状況なのか、これからも考えていきたいと思っている
- 勝手にやらない、子どもの意見(気持ち)を聞く
- 子どもからの声を待つ事を心掛け、先回りした声掛けをしないよう配慮している
- 子どもによっては、声をあげない・あげられない?姿も見られる為、アプローチの方法を考える必要を感じている
- 子どもの思い、気持ちを受けとめる
- 答えを出す、解決する前に、まずは、子どものその時の思いや気持ちを理解し、受けとめる
- 言葉にすることが難しい年齢の子どもでは、その時の状況や表情や声で、気持ちを手繰り寄せ、受け止められようにしている
- 丁寧な言葉遣い、声掛け
- 対等であること、ひとりの人間として接している
- 言葉遣いや声掛け、話を聴く姿勢(言葉にならない声も)を意識している
- まずは子どもの声に耳を傾ける、表情や姿から思いを読み取る
- まだ言葉のわからない小さな子にも、丁寧に声をかけコミュニケーションをとるようにする
- 自分の思いや願いも相手にわかるよう丁寧に伝え、互いに折り合いをつけていけるよう対話を心がける
この一年、もしくは今年度入職してからの期間、自分の中で努力した点や成長したと感じる点について聞かせてください。
- 気持ちに余裕が持てるようになった
- 見通しを持って他の保育者と協力できるようになってきた
- 個々の子どもの成長を見極めるようにして、それぞれがよりのびていけるようになるにはどう話をしたり、対応したら良いか考えるようになった
- 経験を重ねることで、以前より慌てずに少しゆとりをもって子どもたちに接することができるようになった
- 体力の向上
- 周りからの希望に応えながらも、自分なりにどうしたら楽しくできるか考えて工夫した
- 入職時は自分のすべきことは何かよく分からないまま、指示を受けてからしか動くことができなかった。業務に慣れることに精一杯で3か月ほどは苦労する場面が多かった。ただ徐々に業務や保育の流れを理解し始めて、年度後半になってからはチームの中でも活動の提案し、ミーティングでも積極的に発言することができるようになった
- 今までの自分自身は、”型にはまっていたほうが楽だな”と感じることが多かったが、業務に携わり、”型にはまることばかりでは無いから自分が柔軟に動かないといけない!”と意識するようになった
- 以前は観察・受け身・インプットが多かったが、チームを担ってから自分のカラーも出せたと思う(インプットも大切な期間だった)
- SORAでの屋外遊びにおいて、これまでの自分の許容範囲を上回る子ども達の遊び方に、驚きを持って見守ってきましたが、自分の許容範囲が広がったと感じている
- リスク回避とは何か?大人が先回りして回避することなのか?子どもが自分自身の身体をうまく使えるようになって、危険を回避出来る能力が日常の中で身についていくことなのか?を考えるきっかけをもらった
- 他の人の保育をよく見て聞いて、いいことは取り入れようとすることができた
- こうでなければ、を手放していくこと
- 周りと相談しつつその日にその場で決めていくこと(前日から1人で計画するタイプでした)。良い意味で頼ることができ、自分の中で成長した部分だと感じる。形に出来たことも自信に繋がった
- 「観察」すること。「観察」の意味がわかってきて、子どもの考えや意図を知ることができ、「ラーニングストーリー」として、言葉に表すことができた
- 自分の意見だけでなく、相手の事も考えて言動すること
- 自分の価値観や思い込み、自分が執着している思考を観察しつづけたこと
- 自分自身のコンディションをできるだけ整えて日々過ごせるよう心掛けた
- 他者の意見や感じていることなど自分から声をかけて聞いてみたり、お互いを知る機会をできるだけ作るようした
来年度に向けて、SORAでこんなことがしたい、こんなことを意識していきたいということがあれば聞かせてください。
- 人に頼ることを忘れてしまい、1人で進めてしまうことがあるため、頼ることを忘れないようにしたい
- 1年間というスパンでどのような活動が出来るか考えてみたい。ただ、固定した思いの計画ではなく、その時その時のこどもたちの興味等に注視して微調整し、時には大きく変える柔軟性も持っていたい。また、保護者の方のノウハウも是非拝借したい
- 美化活動を更にバージョンアップしていきたい
- 自分と子どもたちの「自尊心、想像力(創造力)、切り開く力」を育んでいるのか、常に頭と心の隅に置きながら、保育や他の業務にあたりたい
- 大きい子がSORA以外の子どもたちと群れて遊べる機会やきっかけをつくっていきたい。引き続き楽しんで取り組みたい。 また心の奥底からしたいことが湧いてくればいいなと思っています
- 室内遊びの充実や製作、感触遊びなどをやってみたい
- 音楽を始め、子どもが「観る」「聴く」などを楽しめる活動ができたら
- ドキュメンテーションで子どものかわいい姿だけでなく、保育を伝えるツールとしてみるのも1つかと思います
- あんまり気を張らないように、自分自身がゆったりとしたこころもちで保育をしたいです
- 五感を使った遊び、生活を意識していきたい
- SORAの理念、方針、大切にしていることを改めてしっかりと意識して保育をしていこうと思う。そして、その保育が、安全で気持ち良くすすめられるよう、日々の環境整備を丁寧に行なっていこうと思う
- 自分が楽しむことを忘れずに、笑顔で子どもたちに関わること
- 自分のできること、得意を活かした新しいチャレンジ
- それぞれがやりたいことを実現できる場になるよう必要に応じてサポートしたり、自分自身も新しい挑戦をしていきたい
他のスタッフの素敵なところ、真似したいところを3つ教えてください。
- 寛大さ、人との距離感、真面目さ
- 自分の保育や子どもとの関わりの細やかな分析
- 地域を巻き込む力
- 本気で遊ぶ姿
- 「対話する姿」が印象的。時々、おどしや比較(「それじゃあ、もう遊べないね」「◯◯くんはもうやっていてすごいね」など)をしがちですが、おどさず、比べず、遊びを入れたり、少しその場から離れてみたり、順々にゆっくりと話しを聞いたり。このような色んなバリエーションの対話力を身につけていきたい
- ある傾向を別の視点から捉える姿。私は、ある傾向が一般的にはマイナスと考えられる時、その傾向を感じないよう脳内ブレーキをかけているのではないかと気付いた。その子を色んな側面から捉え、それを別の角度からはどういうことなのかという思考プロセスを経て、まるごと受け止めることができるようになりたい
- あいさつ力。SORAのスタッフは、すごく気持ちよく挨拶してくれる人が多い。とても素敵なことです
- きめ細やかに考えて行動している
- 元気
- 褒め上手
- 言語化するのが上手な点。こどもに対して、こどもが理解しやすい言葉で、わかりやすく端的に思いを伝えるところを見習いたい
- 緩急のつけ方。オンオフの切り替え方は真似したいが真似できない
- 物腰柔らかな口調。私自身語気が強くなりがちなので、柔らかい空気、姿勢が素敵。こどもたちもきっと、そんな人の近くにいると居心地が良くて、自然とこどもたちが集まってくるのかなと思う場面がある
- 子どもをよく見ていて、面白さを共有するのが上手だと思う
- 日々のこと、課題が見えた時などにリーダーを中心に柔軟に対応ができてすごい
- 保育者同士も互いを尊重している感じがして、働きやすい。 (私が躓いた時に、私自身を気にかけてくれる人が多く有り難かった。私は大人にまで目が向けられていないことが多いので、見習いたい)
- 子どもをリスペクトしていて、意思を尊重しようとしている
- 一歩さがって子どものやりたいを聴こうとしている
- 言葉のかけ方、受け止め方が前向きでステキ。捉え方も自分と違うと、なるほどそういう見方もあるのか、という気づきをもらえる
- 子どものために自分が面白いなと思った事を提供したいという保育へのモチベーションが高い
- ラーニングストーリーを書くのは大変ですが、他の方が書いたものを読むのはとても勉強になります。視点や表現の仕方が勉強になります。
- 何でもやってみる、柔軟な思考。アイデアがすごい!
- みんな明るい!よくしゃべる
- 即座の判断力と堂々としてるところ
- 発想力と子どもへの声かけや遊びの広げ方
- 保育で挑戦する意欲と子どもを受容(受け入れてるような)姿勢
- 何ごとにも囚われない本能的な関わり方
- 大らかで穏やかな関わり方
- 子どもを面白がる感性
- 穏やかな声のトーンで、相手(大人も子どもも)にわかりやすく、納得できるような話し方
- 相手が話しやすいような、声のかけ方
- 自分の気持ちに素直なところ
- 元気、ポジティブ、アイディア
- 感謝を伝えあえる姿が素敵
- 個を認め合える姿
- 子どもにとってどうかを考え続けているところ
- 言葉の表現力や伝え方。子どもたちとの面白いエピソードや素敵な場面をその場にいなかった人とも喜び合えるところ
- 子どもに負けない体力。私も本気の鬼ごっこやドロケイがしたい
- さりげない気遣い。誰かが困っている、助けてほしい時に、気づいて声をかけてあげられる心の余裕
園の運営について、感じていること、気になっていること、改善してほしいことなど自由にお書きください。(理念や方針の共有、情報の共有、給与について、休暇について、研修について、1on1、保護者への対応、役割分担、地域との連携、情報発信、その他)
- 年長児の集団遊び(主に外遊び)ルールある遊びを充実していくために、近隣の年長児や小学生と交流がもっとできたらいい
- 保護者に対して、朝の登園時間を可能な範囲で守って欲しい。活動や散歩に途中から参加する子どもの気持ち。朝の子どもの人数把握が曖昧になることで見失いや事故への影響があることをもう少し伝えていけたら
- 遅番の残業時間を細かくつけてもらえるようになりよかった
- 研修も学んだことが記憶に残る内容や方法で、とてもよかった
- 保護者アンケートで保育者と子どもの話ができているかという満足度のパーセンテージが他よりやや下がっていて、何か策はないのだろうかと考えている
- 研修に外部の人を招くとか、新しい風をスタッフみんなが浴びて、刺激をもらえるような機会があったら嬉しい
- 私が入職した時よりも、他園が北公園での石垣登りをしている姿を多く見かけるようになりました。少なからず、SORAの子どもの姿が影響していると感じます。地域をどう連携し巻き込んでいくか?は外遊びの面白さを知るSORAの次なるミッションではないでしょうか
- 保護者への保育の発信と連携は開拓の余地がある様に感じます。連絡帳やドキュメンテーションで子どもの何を伝えるのか?を意識してみるのも1つと思います。保護者がSORAの保育の理解者であり、共に創る大人になっていくといいなあという希望を持っています
- 保育の表面は見えやすく、良い場面を切り取りやすいが、保育の意図や見えにくい部分などが保護者に伝わりにくい。 運営だけでなく、スタッフとしてもどうしていくのがいいか悩む
- 自分の意見や感じていることがすぐに伝えられて良いと思います。研修もみんなが集まる場としてとても楽しみにしています
- 慣習になりつつある事柄の問い直し
- MTGやふりかえりの時間のもち方について考える機会を持ちたい
その他、ご意見や気になっていること、困っていることなど何かあればご自由にお書きください。
- 配置は難しいかもしれませんが、キッチンに食器乾燥機があると良いなと思います
- 保護者アンケートが良すぎる点。もう少し掘り下げられたら、さまざまな意見がでてくる感じがします
- 皆さんがそれぞれ新しいアイディアを持ち、常に前を向いているところが刺激になっています。私も頑張ろうと思えます