4月から新しくSORAの仲間に加わったSくん。弟も生まれ、Sくんを取り巻く環境が著しく変わりました。

Sくんは、自分を取り巻く色々な変化にどう向き合うのだろうか?彼の気持ちにどう寄り添ってあげればよいのかなと考えながら、私は様子を見守りました。

毎朝登園すると、送ってきたお父さんは『だいじょうぶ、だいじょうぶ!』と声掛けしながら笑顔でSくんを送り出してくれます。そんなお父さんのことばに後押しされてか、Sくんは、あまり人見知りせず、ニコニコしながら保育室に自分で入って、すぐに遊びを見つけることができていました。

はらぺこあおむしのパズルにじっくり取り組んだり、自分で絵本を選んでは見ていました。室内遊びでも公園遊びでも、自分でこれで遊ぼうと決め、工夫して集中して遊んでいます。泥んこや水をじっくり触って感触を味わっている姿も見られました。

それでも多少の気持ちの揺らぎがあるのか、お昼寝はなかなか寝つけない姿が見られます。そんな時、そばに寄り添って満足するまで絵本を読むと、いつの間にか「ねんね」と言って自分から眠りにつきました。

Sくんのお父さんの『だいじょうぶ、だいじょうぶ』の言葉がけは、魔法の言葉のようにSくんと私たちに信頼関係を作ってくれました。子どもたちを真ん中に周りの大人が信頼し合えた時、子どもたちは新しい世界に安心して飛び出していけるのかもしれないと思いました。

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森と自然の保育園SORAではラーニング・ストーリー(エピソードをもとにした成長の記録)を保護者のみなさんと共有しています。

一人ひとりの子どもの夢中になっている姿やチャレンジしている姿。気持ちを表現していることなど、保育者の心が動いた場面をエピソードとして綴っています。

保育者がその場面をどう読みとって何を感じたか。子どもの育ちを踏まえどのように接しているかを中心に記録したものです。

スタッフも試行錯誤しながらのラーニング・ストーリーですが、この記録を保護者のみなさんとも共有することで、我が子だけではない子どもたちの成長をともに喜び、保育者の視点を知る機会に。そして園とご家庭がともに子どもたちの育ちを見守っていくことに繋がればと思っています。