ある日の午後、お昼寝から目覚めて遊んでいるときに、ふと壁に映った黒い動くものを発見したRちゃん。自分が動くとなぜかそれが動き、自分が止まるとそれも止まる様子。不思議に思ったRちゃんは、遊ぶことをやめて壁の前に立つと、それをじっと見つめます。それは何かというと、壁に映る自分の影。

手を動かしてみて…「おっ!」足を動かしてみて…「おおっ!」
動くたびに驚きの声をあげ、その不思議さに引き込まれていくのでした。

『影』が何かはわからないけれど、その存在に気づき、不思議に感じて観察してみる。その姿や反応に、そばで見守る大人も影の魅力に引き込まれていきます。

子どもにとって、未知なことばかりのこの世界。不思議に思って観察したり試してみたり、その積み重ねで自分のまわりの世界を少しずつ知っていくのでしょう。そのために必要な意欲や好奇心は、どの子も生まれながらに持っています。

影のように当たり前に身近にあるものも、こんな風にじっくり観察する力を持っている子どもたち。もしかしたら大人よりずっと深く、思考を巡らせているのかもしれません。